活動報告

活動報告(No.93):市議会議員研修会

2026年(令和8年)1月20日(火)

市議会議員研修会

本日、鹿児島県文化センター(宝山ホール)において、鹿児島県市議会議長会が主催する市議会議員研修会が開催され、2名の講師による講話が実施されました。午前中にジャーナリストの河合雅司氏による「人口減少日本でおこること」、午後が一般財団法人日本ペップトーク普及協会代表理事の岩﨑由純(よしずみ)氏による「職場を元気にする!言葉の力~スポーツの現場に学ぶペップトークとは~」と題して実施されました。

今回は河合雅司氏の講話の概要を紹介します。岩﨑由純氏の講話は「言葉の力」に関するもので大変意義深い内容でしたが、これについては次の機会に紹介します。

□ 河合雅司(かわい まさし)氏:「人口減少日本でおきること」

講話は前半部分で日本の人口減少社会はどのような社会になるのかという状況を説明した後、後半でそのような社会におけるあるべき対策(政策)の紹介でした。前半で紹介のあった人口減社会の実態は大変ショッキングな内容でした。以下にその概要を紹介しますが、人口動態を除く一部のデータについては、あくまでも現在の減少のペースなど(変化率)を元に機械的に計算されたものです。

人口減少日本の将来の姿

1⃣ 2024年の日本人の出生数は68万6173名で前年度比5.7%の割合で減少している。現状の政府の推計は甘く2039年が68万4000人であったが、この減少幅は、政府の予測を大幅に上回るペースで推移している。2022年から2024年にかけても毎年約5%の割合で減少している。この割合で減少が続けば単純計算で15年後には30万人と半減し、2070年は6万にになる。
2⃣ 出生数が減る根本的な要因は、出産期の女性(25歳~39歳)の数が減っていくこと。今後25年で27%減少する。子育て支援の充実などのいかなる対策を行っても出生数は増やせない。ただし、出生数の5%の減少率を4%、3%に緩めていくことは意義あることで、それらを実現すれば評価すべきこと。
3⃣ 20歳~64歳の人口(労働者数)は、毎年1%の割合(65万人ペース)で減少し、2040年には5339万6千人になる。構造的な人手不足となる。2120年には、2020年から8割減少する。⇒パッチワーク的政策ではだめで地域社会の構造を作り替えていく必要がある。
4⃣ 高齢者(65歳以上)は2043年頃まで増え続ける。2043年で3811万3千人となり、2070年の高齢化率は40.7%となる。
5⃣ 2026年の高齢社会と2043年の高齢社会は以下の4つの属性で異なる。
・高齢者が高齢化する社会。若い高齢者が減少するが85歳以上が増え続ける。
・女性が圧倒的に多い高齢社会となる。(現在の65歳の人が90歳まで生きる確率:男性(36%)、女性(62%))
・一人暮らしの高齢者が増える高齢化社会となる。2050年の一人暮らしの世帯数は1083万9千世帯で、全世帯数の20.6%を占める。
・今の高齢者に比べて圧倒的に貧しくなる。10~15年後、団塊ジュニアの世代が高齢者となるが、就職氷河期などで正規職についていない人も多く約35%が無年金となる。

人口減社会にいかに対応するか

1⃣ 人口を増やす政策をしても無駄である。出生数の減少率(2022年~2024年:約5%)を緩めていくことが王道。人口は1%づつ減っていく。人口が減っても大丈夫な社会構造に作り替えていかねばならない。
2⃣ そのためには、企業経営をいかに成り立たせるか。企業の経営モデルを変革する。働く場所があれば若者も残る。現在の政策は、都会から地方へ移住者を増やすこと、それがだめなら関係人口を増やそうとしている。このような政策より、やるべきことは強い企業(ブランド企業)を地域につくること。⇒地域全体が潤う。(途上国型企業モデルからヨーロッパ型企業モデルへの転換。)
3⃣ 王道は「稼ぐ地方」の創世。分散・分配政策から集約・投資政策へ変換。内需が減少する社会へ適応できる企業経営モデルへの転換を目指す。⇒高付加価値・生産性向上、外国展開。(時間短縮・コストカットではなく一人当たりの稼ぐ力を向上。売り上げ半減でも利益率2倍であれば同じ。)
4⃣ 医師不足の本質は、人口減少で患者不足(マーケットの縮小)である。日本全体では既に医師は過剰となっている。地方では経営が成り立たないので医師不足が生じている。
5⃣ 多軸型社会を目指す。地域で人口を集約、それをネットワークで結ぶ。⇒コンパクトシティー + ネットワーク社会。(地方都市(5~10万人)を中心にエリア(1000人ほどの集落が複数存在)が一体的に商圏を形成。30万人程度の商圏が理想。)
6⃣ 地方公務員は、2050年には25%減少する予測。インフラの維持困難、水道料金の高騰などの可能性。自治体の在り方を見直す時期に来ている。すぐ取り組むべき事項は以下のとおり。
・ 事務量の削減(水平転換(他の自治体と)・垂直保管(県・国で)
・ DXによる生産性向上
・ 担い手の拡大(民間活用・住民参加)
(参考)令和8年1月19日、首相官邸で地方制度調査会の検討会が開催され、人手不足が深刻な市町村の事務の一部を都道府県へ移管できないかなどを検討。
7⃣ 鹿児島県の対策
・ 勝てる農林水産業への転換が急務⇒規模拡大から質的転換へ。これからは小さい方が有利。(了)

1月20日(火)南日本新聞1面