活動報告

活動報告(No.98):行政視察(福岡県久留米市・三重県庁)

2026年(令和8年)2月12日(木)

行政視察(福岡県久留米市・三重県庁)

2月3日(火)~4日(水)にかけて、久留米市と三重県庁に行政視察に行ってきました。久留米市はふるさと納税の取り組み状況について、三重県庁は国内の自治体のなかでも空飛ぶクルマを活用した空の移動革命に取り組んでいることから、これら両自治体の最新の取り組み状況を調査しました。概要はい以下のとおりです。

1 ふるさと納税について(福岡県久留米市)

(1)ふるさと納税制度を取り巻く情勢と久留米市の状況

久留米市役所。市街地と筑紫平野が一望できます。

平成20年に開始されたふるさと納税制度は、令和6年度において全国の寄附受入額が約1兆2,728億円あまりに拡大するなど、制度を導入する自治体にとっては重要な財源の一つになっている。しかし、当該制度の活用が活発化する一方で人気の高い返礼品を擁する自治体への寄付が集中するなど自治体間で競争が激化してきている。また、国においてはこのような情勢の中、返礼品となる商品の地場産品基準の厳格化、ポータルサイトによるポイント付与禁止などの制度の見直しを行っており自治体にとっては、毎年のように変わる制度への対応も課題となっている。
福岡県久留米市の寄附受け入れ額は、このような制度の変遷や人気返礼品の動向により増減を繰り返してきているが、近年は概ね20億円程度の寄附額を維持しており重要な財源となっている。

(2)調査目的及び成果の概要

本視察においては、自治体間の競争が激化する情勢のなかで久留米市が寄附額を増やすための返礼品拡充などの取組み状況を調査し、薩摩川内市のふるさと納税制度を推進する上での資とすることを目的とするものである。本調査の主な成果としては、ふるさと納税事務を担当する総務部総務課の取組みとして、当該事務のうち行政にしかできないこと以外は外部委託し、その余力を地元業者との協働による返礼品の開発及び既存商品の磨き上げに注力する取組みの状況を把握することができたことである。

2 空飛ぶクルマを活用した空の移動革命について(三重県庁)

(1)空の移動革命に関わる国及び三重県の取り組み

「空飛ぶクルマ」に関わるこれまでの国の取組みとしては、平成30年8月に経済産業省及び国土交通省が「空の移動革命に向けた官民協議会」を設置したことに端を発する。同年12月には空飛ぶクルマの実現に向けて官民が取り組んでいくべき工程を示したロードマップをとりまとめ、物の移動、地方や都市での人の移動、災害対応、救急、観光等への利活用などをを想定し、機体の安全性や技能証明の基準等の制度整備や自動飛行・運航管理等に関する技術の開発について、大阪・関西万博をマイルストーンとする今後の工程を示した。大阪・関西万博が終了した現在においては、同官民協議会にて大阪・関西万博後の社会実装実現イメージについて議論を深めている。
三重県においては、このような国の取組みと歩調を合わせた検討を進める一方で、国内の自治体の中でも「空の移動革命」の実現に向けて先駆的に取組み、令和元年度には三重県版のロードマップを作成し空飛ぶクルマやドローンを活用した地域課題の解決、新たなビジネスの創出などの地方の豊かさを活かした持続可能な社会の実現のための具体的な施策を進めてきている。

(2)調査目的及び成果の概要

現在においては、国内の多くの自治体や企業を含む多くの団体でこの空飛ぶクルマやドローンを活用した「空の移動革命」に関する調査研究が進められている。今回の調査においては、そのなかでも早い段階から積極的に空の移動革命の実現に向けて取り組んできた三重県の進取かつ意欲的な調査、研究等の検討枠組みの状況を調査することで、国内外の空飛ぶクルマの社会実装に向けた取組みの進捗状況を把握するとともに鹿児島県における様々な地域課題の解決や新たなビジネス創出への可能性について知見を得ることを目的とするものであた。
今回の調査を通じて得られた主要な成果としては、これまでの三重県の取組みの状況を通じて空飛ぶクルマの活用による様々な地域課題の解決の具体的事例を学ぶことで、鹿児島県における地域課題解決への応用の可能性は元より空飛ぶクルマを核とした新たなビジネスの創出、地域経済活性化の可能性を見いだすことができたことである。アメリカを始め諸外国においては、空飛ぶクルマの社会実装をにらみ機体開発に取り組むとともに国内の企業、自治体等においても積極的な取組みが進められている。
一方、薩摩川内市を始め鹿児島県においては、空飛ぶクルマやドローンを活用した空の移動革命に関する検討についてはほとんど聞かれず、国内の多くの自治体の後塵を拝している状況にあるように思われる。多くの離島や過疎化が進行する中山間地の多い鹿児島県においては、地域課題を解決する上でこの空飛ぶクルマを核とする空の移動革命は情勢を一変する大きな可能性を秘めているように思われる。本県においても各市町村は元より企業団体等も含め早急な調査研究体制の構築が望まれるところである。

なお、調査結果の細部及び成果・所見については、以下のリンクに掲載しています。

行政視察成果報告(久留米市・三重県)  (左のリンクをクリックしてご確認ください。)(了)